外出先のカフェやコワーキングスペースでWeb会議をする機会が増える中、画面ののぞき見だけでなく「音による情報漏えい」が課題となっています。隣の席の会話が聞こえたり、自分の商談内容が周囲に筒抜けになったりするリスクです。この記事では、音が伝わる仕組みを踏まえ、安全にWeb会議を行うための注意点を解説します。
音漏れは「聞こえるか」より「内容が分かるか」が問題
音の対策において重要なのは、完全に無音にすることではなく、周囲の人に会話の内容が理解できない(了解度を下げる)状態にすることです。人の耳は、単に音が聞こえることと、その内容が分かることを別々に判断します。
例えば、背景の雑音が大きければ、声の大きさが同じでも周囲の音との差が縮まり、内容の判別が難しくなります(マスキング)。
オープンスペースでの対策
フリーアドレスのオフィスやコワーキングスペース、カフェなどでは、隣に誰が座るかを選べません。オープンな環境でWeb会議をする際は、以下の点に気を配る必要があります。
漏れる方向は2つある:
自分の声が周囲に漏れるだけでなく、周囲の会話が自分のマイクに入り、会議の参加者全員に自社のオフィスの会話が配信されてしまうリスクがあります。
イヤホンの着用:
相手の声をスピーカーから出すと周囲に聞こえてしまいます。Web会議ではイヤホンやヘッドセットの使用を原則とします。
機密情報を話さない:
オープンスペースでの会話には、社名や個人名、金額などを出さないという原則を持つことが重要です。
卓上の吸音パネルやパーティションが設置されている席もありますが、これらは室内で反射して残るエネルギーを減らす「吸音」の役割が中心です。壁の向こうに音が伝わることを止める「遮音」の機能はないため、パネルがあるからといって過信は禁物です。
個室ブース利用時の注意点
人事や契約条件の交渉など、機密性の高いやり取りには、閉ざされた個室型の防音ブースや会議室を確保するのが原則です。しかし、個室ブースであっても音が完全に漏れないわけではありません。
ケーブルを通すためのサービスホール(穴)や扉の隙間などから声が漏れることがあります。また、密閉空間のため換気ファンが回っていますが、その動作音がマイクに入るとWeb会議の音質が落ちる要因にもなります。
外出先での業務では、会話の機密度をあらかじめ分類し、屋外や公共交通機関での業務通話の禁止など話してよい内容の範囲を決めておくことで、音による情報漏えいのリスクを抑えることができます。
参考情報

